和漢コラム腰痛の悩みにCOLUMN

「冷え」から来る腰痛に要注意。そのメカニズムと改善策5つ。

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冷え腰痛の改善策

冷え腰痛の改善策1:患部をすぐに温める方法

とにかく腰を温めたいという場合は、以下の方法から始めてみてください。

カイロを貼る

お手軽で手っ取り早いのは使い捨てカイロ。貼る場所は骨盤のあたり。背骨から手でなぞって骨盤に達した辺りを仙腸関節といいますが、その仙腸関節に当たるように左右に1枚ずつ貼ります。1~2日続けてみて症状が改善されたと感じるならしめたものです。
気を付けたいのは、低温やけど。下着を2枚以上重ねた上から貼ることと、就寝時は避けるようにしましょう。

お風呂で毎日温める

忙しくても夏であっても、湯船につかって腰を温めることはとても大切。お湯の温度は熱すぎない程度、約38~40℃でゆっくりと温めること。長湯が苦手な人は、湯船に3分浸かって、次の3分は湯船から出て体を洗うなどの交代浴を3~4回繰り返すことで、体の芯からじっくりと温めることができます。
また、血行促進効果のある炭酸入浴剤もおすすめ。お湯の中に溶けた炭酸ガス(二酸化炭素)が皮膚から吸収されて、血管が拡張して血流が良くなると言われています。

腰痛を温めるとラクになる。すぐできる方法とポイント3

冷え腰痛の改善策2:服装は重ね着で温める

使い捨てカイロや入浴で腰痛改善の兆しが見えてきたら、さらに毎日の生活習慣で温める作戦です。

オシャレに関心の高い女性の皆さん、腰や足を冷やしていませんか?夏の暑い季節であっても、肌の上にシャツ1枚というのはおすすめできません。

温めるためには、生地を重ねて空気の層をつくること。薄い生地でよいので、下着や腹巻きなどを数枚重ねてみましょう。衣類の生地の間に留まった空気が体温で温り、保温効果を発揮します。
また、首の字がつく3つの場所、首・足首・手首を冷やさないことも大切。皮膚のすぐ下を血流の多い動脈が通っているので、外気温に影響されやすい場所なのです。

冷え腰痛の改善策3:運動は血行改善の特効薬

そんな時間はないと思われる方も多いかもしれませんが、筋肉を動かす=筋肉というポンプを動かして血流を良くするということ。使い捨てカイロに頼らなくても、ウォーキングなど筋肉を動かすだけですぐに血行を改善することができるのです。
とくに、ふくらはぎや太ももの筋肉は、先にご紹介したように心臓から足に送り出された血液を戻す役割を果たしているので、その筋肉を鍛えておくことで血行の改善、すなわち冷えの改善に直結するのです。

ちなみに、心臓というポンプから送り出された血液は全身をいきわたり、心臓から最も遠いつま先などにたどり着いた時点では、ポンプの圧力は1/10にまで低下。そこから血液を戻すには、足の筋肉や血管がしっかりと収縮するしかないのです。運動不足や足の筋肉量が少ない人が冷えやすくなるのはそのためなのです。

冷え腰痛の改善策4:体を温める食べ物を、規則正しく食べよう

食事と冷えの関係も密接です。直接的に腰痛に効くというものではないものの、体の細胞一つひとつは間違いなくあなたが日々食べる物で作られています。時間はかかるけれど、根本的に取り組むためには食生活から見直していくべきです。

体を温める食べ物

  • 基本的には、口にするものは常温より温かいものを。夏でも氷たっぷりのアイスティーよりホットティーを選ぶクセをつけましょう。
  • 寒い国で育った食材、冬が旬の食材は、体を温めてくれるものがほとんどです。かぼちゃ、大根、ごぼう、ネギなど。
  • 根菜類など、地面の下にできる野菜も温め効果のある食材です。ニンジン、ジャガイモ、生姜、玉ねぎなど。

冷やさないための食べ方

  • 気を付けたいのは、暴飲暴食。消化のために胃腸に血流が集中するため、足など他の部分への血流が悪くなります。
  • 朝食はしっかりと食べましょう。就寝時に低下した体温は、朝食を摂ることで消化器系の内臓が働いて上昇。そのまま夕方まで緩やかに上がるという流れを作ってくれます。

冷え腰痛の改善策5:漢方の力を借りる

気(き):生命エネルギー(神経機能に通じる)。血(けつ):血液(全身に栄養を届ける)。水(すい):リンパなどの体液(水分の代謝、免疫系)。東洋医学では、人間の生命活動に必要な要素は「気・血・水(き・けつ・すい)」の3つと考えられています。気:生命エネルギー、血:血液、水:リンパなどの体液。その3つがバランスよく体内を循環していることで健康が保たれているのです。

冷えとは、気や血が不足したり、滞ったりしている状態。冷えを改善するためには、血流改善作用や体を温める生薬を取り入れてみるのも一つの方法です。

血流改善作用のある生薬

  • ケイヒ(シナモン):クスノキ科ニッケイの樹皮を乾燥したもの。胃腸の機能を整えたり、血流を改善する作用があります。
  • ボタンピ:ボタン科ボタンの根の皮からつくられる生薬。血行改善、消炎、鎮痛作用があります。

体を温める生薬

  • ショウキョウ(生姜):ショウガ科ショウガの根茎。身体を温め新陳代謝を高める。発汗促進、健胃、食欲増進などの作用があります。
  • ソウジュツ:キク科ホソバオケラの根茎。水分代謝を盛んにして、利尿や発汗促進作用があります。

冷えを改善すれば、腰痛だけでなく全身の健康にもつながる

腰痛の原因の一つである冷えについて改善策をご紹介してきましたが、昔から「冷えは万病のもと」と言われるように体全体に悪影響を及ぼすもの。放っておくと腰痛や肩こりだけでなく、胃腸の不調や便秘や下痢などさまざまな症状につながりかねません。また、基礎体温を高めることは、免疫力アップにもつながり生活習慣病予防にもなると言われています。

外側から温めることも一時的には効果的ですが、体の内側から血流改善を行っていくことが根本的な解決策となります。冷え腰痛は体のSOSサインと考えて、血行改善に取り組んでみてください。


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