和漢コラム便秘の解消にCOLUMN

便秘の改善。食事に気を配る5つのポイント

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3. 腸内環境の改善に良いとされる食材ベスト3は、食物繊維、発酵食品、植物性油

ご紹介する食材は、腸内環境を整え便秘改善に良いとされているものです。これらの食材をとり入れたレシピでバランスよく摂るようにしましょう。

2種類の植物繊維をバランス良くとりましょう

食物繊維を多く摂ると便が大きくなります。これは食物繊維が消化されずに、腸内細菌によって発酵して排出されるから。食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2つの種類があり、その特徴や体内での役割が異なります。

不溶性食物繊維は、きのこや野菜の繊維などに代表される「溶けない」繊維質。消化管で吸収されずに大腸まで到達するので便のかさが増し、腸が刺激されることで、便意を促します。食べる時に、噛まないと飲み込みづらいということも特徴。腸を刺激するので、運動不足による便秘に効果があるとされています。
※不溶性繊維を多く含む食物は、葉物野菜(モロヘイヤ、アシタバなど)、きのこ類、豆類(インゲン豆、大豆、グリーンピースなど)、ドライフルーツ、ナッツ類、抹茶、ココアなど。

水溶性食物繊維は、文字通り「水に溶ける」繊維質のこと。海藻類やサトイモなどのネバネバした成分に含まれており、水分を含むことで、ゲル状になり、腸内で発酵し善玉菌のエサとなるので、腸内環境を整える効果があります。

便を軟らかくする効果のある水溶性食物繊維は、便が固めとなっている便秘に。水溶性食物繊維は、善玉菌のエサになることで、善玉菌を増やす効果もあるとされています。

また、血糖値の上昇を緩やかにし、コレステロールを体外に排泄させる働きもあるなど、便秘はもちろん、その他の健康面でも役立つといわれています。
※水溶性植物繊維を多く含む食べ物は、海藻類(昆布、ワカメ、もずくなど)、こんにゃく、熟した果物類(アボガドなど)、粘り気のある野菜やきのこ類(オクラ、なめこなど)。

便秘解消にはどちらの食物繊維も必要です。
食物繊維の摂取の理想的なバランスは、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の割合が、2:1。意識的に食べるように心がけ、毎日の食生活に上手に取り入れたいものです。
とくに納豆やオートミール、果物は、2種類の食物繊維が理想的なバランスで含まれています。

50年前に比べて、食物繊維が3割ダウン

食物繊維の理想的な摂取量は、女性で17g、男性で19gとされています。しかし食事の欧米化の影響もあって、現在の平均的な摂取量は14g程度。20g以上を摂取していた昭和30年頃に比べて、3割も減少しているのです。
ちなみに、食物繊維が食事の15~20%を占めるアフリカの住民には肥満、糖尿病、動脈硬化、心臓病などの病気が少なく、これに対してこれらの病気の多い欧米人の食事には、食物繊維が4%しか含まれていないというデータもあります。

善玉菌を増やしてくれる発酵食品

発酵食品に含まれる乳酸菌には、腸内を弱酸性にすることで悪玉菌(有害な腸内細菌)の増殖を抑え、善玉菌を増やす効果があります。
植物性の乳酸菌を多く含む食材は、ぬか漬けキムチ、味噌など。動物性の乳酸菌の主な食材には、ヨーグルト、チーズなどがあげられます。とくにビフィズス菌を含むタイプのヨーグルトは、高い整腸作用があります。

多くの人は、年齢を重ねると悪玉菌が優勢な状態に。乳酸菌を外からたくさん摂り入れ、体内の“善玉菌”を増やす必要があるのです。さらに、善玉菌の活動を活発にさせることで、腸内がより良い状態に保つことができます。その役割を果たすとされるのがオリゴ糖。オリゴ糖は、玉ねぎ、アスパラガス、にんにくなどの野菜類やはちみつ、味噌や醤油などの発酵食品にも含まれています。

良質な植物性油が腸を刺激

植物性油のなかでもオリーブオイルには、オレイン酸という成分が含まれ、便秘改善に良いとされています。オレイン酸は腸に届くと、ぜん動運動をうながします。さらに潤滑油の役割を果たし、便の通りも良くなります。ぜん動運動がもっとも活動的な朝に、サラダや副菜に大さじ1杯程度をかけると手軽に摂れますね。

便秘によくない食べ物

便秘気味の時に、積極的に摂らないようにしたほうが良い食品は、肉料理。
肉に含まれるタンパク質は、腸内で悪玉菌を増やす働きをします。お肉を食べる時は、野菜や果物、ヨーグルトなどを一緒に食べることで、腸への影響を中和するのがコツです。
また、赤ワインや煎茶、紅茶、柿などに多く含まれるタンニンには、腸のぜん動運動を抑制してしまう作用があります。体に良い成分も多く含む食べ物ですが、こと便秘気味のときには摂りすぎないように気をつけましょう。

4. 水分は便秘改善に大切な条件

水分が不足していると、腸が十分に機能しません。

それはからだが必要な水分を補うために、外に出す水分の量を減らそうとするから。その結果、便が持つ水分が減り、硬くなるため排出が難しくなってしまうのです。
便をスムーズに排泄するためには、1日2L程度の水分補給が良いとされています。ただし一度に大量の水分を摂ってしまうと、胃の消化液が薄まって消化活動が滞ったり、体内のナトリウム量が減少して疲労感を引き起こすことがあります。一度に飲む量はコップ1杯程度にして、こまめに定期的に摂取しましょう。

5. からだは、食べたものでできている

御年95歳の作家・瀬戸内寂聴さん(2018年1月時点)が、健康の秘訣を紹介されていました。夕食にそれはそれはおいしそうに、上質の牛肉の赤身を召し上がっておられました。食べたいものが自分の栄養になると信条を語る寂聴さん。食べたいという意欲が健康長寿につながるのでしょう。

便秘の改善にも、食事への気配り。日々、何気なく口にする食材の特長を知り、快便の毎日をめざしましょう。

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