和漢コラム膀胱炎の改善にCOLUMN
膀胱炎になりやすい人の10の習慣
膀胱炎は女性がかかりやすい病気のひとつですが、なかには「膀胱炎にかかったことがない」という人もいます。
その違いはどこにあるのでしょう?今回は、膀胱炎にかかりやすい人によくある生活習慣と、その改善策もご紹介します。
膀胱炎とは?
膀胱炎は、膀胱のなかに大腸菌などの細菌が入って繁殖し、膀胱の粘膜が炎症をおこす病気です。膀胱炎のなかにもいくつか種類がありますが、とくに持病などがなく急に症状が出た場合には、急性膀胱炎(単純性膀胱炎)がうたがわれます。
ここで注目したいのは、細菌が原因であること。膀胱炎にかかったということは、原因となる細菌が侵入して繁殖する条件がそろっていたということ。今回はその条件を徹底的に見ていくことにしましょう。
女性は膀胱炎になりやすい
まず前提条件として、女性はからだの構造上、男性よりも膀胱炎にかかりやすい条件がそろっています。
尿道が短い
尿道の平均的な長さは、女性が約3〜4cm、男性は約20cmといわれています。
尿道口が膣や肛門に近いので、細菌が侵入しやすい
膀胱炎の原因となる細菌のほとんどは大腸菌。膣や肛門にある大腸菌が侵入しやすくなります。
ナプキンやおりものシートも感染しやすい環境に
肛門から尿道口に、ナプキンやおりものシートが触れている状態が長くつづくと、細菌が繁殖しやすくなります。
生理中や妊娠中、閉経後もかかりやすい
膣内には、デーデルライン菌という善玉菌があり、細菌の繁殖を抑えています。ただ、生理中や妊娠中、閉経後はエストロゲンという女性ホルモンが低下することでバランスがくずれ、細菌が繁殖しやすくなります。
膀胱炎になりやすい生活習慣チェックリスト
女性は体の構造上、どうしても膀胱炎になりやすいため、生活のなかでも注意が必要です。
まずは、以下のチェックリストを確認してみてましょう。
- あまり水分をとらないタイプ
- ストレスを感じることが多い
- オシャレのためなら、多少の寒さは我慢する
- 無理なダイエットをしている
- トイレを我慢することが多い
- 尿・排便後、トイレットペーパーは後ろから前へ拭く
- ウォシュレット(ビデ)は水流を強めにして使う
- 下痢や便秘になりやすい
- 入浴しない日や下着を着替えない日がある
- セックスの後、トイレに行かないことが多い
1.あまり水分をとらないタイプ
摂取する水分が少ないと、膀胱内にある尿は濃くなります。それとともに尿のなかの細菌濃度も高くなるため、膀胱の粘膜に付着して繁殖しやすくなるのです。
水分を多くとることで尿の濃度が薄まり、膀胱のなかを安全な状態に近づけることができるとともに、トイレの回数が増えることで尿路(膀胱から尿が通る道)を洗い流してくれる効果も高くなります。
トイレでツンとした痛みを感じたりトイレの回数が急に増えるなど、膀胱炎の症状が出てきたかと思ったら、まずは水分を多めにとるようにしてください。
2.ストレスを感じることが多い
膀胱炎は細菌が膀胱に入り、それが繁殖することでおこる病気ですが、細菌が侵入するのは珍しいことではありません。ほとんどの場合は、免疫細胞が退治してくれます。
ただ、ストレスや睡眠不足などで免疫力が落ちていると、免疫力が低下して、細菌の繁殖を許してしまうのです。
3.オシャレのためなら、多少の寒さは我慢する
気温の変化が激しいこの頃。服装で失敗したなという日もあれば、夏でもエアコンがききすぎていたり。私たちの体は、自分で意識している以上に冷えていることが多いのです。
体が冷えていると血流が悪くなり、体中をめぐっている毛細血管の働きが弱まります。必要な栄養や免疫細胞をとどける役割の血流が悪くなると、膀胱の免疫力も低下してしまい、感染症のリスクが高くなるのです。
体内のエネルギーバランスや調和を重視する漢方医学では、体を冷やすことは万病の元とも言われています。膀胱炎をくり返しやすい人は、とくに下半身を冷やさない工夫をしてみてください。
4.無理なダイエットをしている
極端なダイエットによる栄養不足は、免疫力を落とす原因となります。
また、食事を抜くことで水分不足にもなりやすいため、膀胱にたまる尿の濃度を上げて、細菌が繁殖しやすい環境をつくってしまうのです。食事を抜くときは、お茶やお水などをいつもより多めに摂るようにしましょう。