和漢コラム膀胱炎の改善にCOLUMN
おしっこすると痛いのは病気?:小中学生むけ講座
「おしっこすると痛い」のはなぜ?
いつもは痛くないのに、おしっこをすると痛い。お腹の下部分やおしっこの出口がムズムズする。そんなときは、おしっこの通り道のどこかが病気になっているのかもしれません。
おしっこの通り道とは、じんぞう(腎臓:おしっこが作られる場所)・ぼうこう(膀胱:おしっこをためる袋)・にょうどう(尿道:おしっこが出る道)のこと。そのどこかが炎症(ケガをした状態。赤くなったりはれたりする)をおこしていると、おしっこをする時に痛くなります。
「どこがどんなふうに痛いか?」をチェックして、病気の種類を見ていきましょう。
1.お腹の下の方が痛い
おしっこをする時にお腹の下の方が痛いときは、ぼうこうえん(膀胱炎)を疑います。
「ぼうこうえん(膀胱炎)」とは、ぼうこう(おしっこをためる袋)の中に細菌が入ることでおこる病気です。
その他の症状としては、
・何回もトイレへ行きたくなる
・一回に出るおしっこの量は少ない
・おしっこするときに、ツーンと痛い
・おしっこが赤い
・おしっこが白くにごる
などがあります。
2.おしっこの出口に近いところ(尿道)が痛い
痛いのは、おしっこが出始めたとき?それとも、おしっこが出終わるころ?それによって病気の種類が変わります。
おしっこが出始めたときに痛い
「にょうどうえん(尿道炎)」を疑います。にょうどう(ぼうこうから出たおしっこが通る道)に細菌が入ることでおこる病気です。
女子よりも男子がかかりやすい病気です。
その他の症状としては
・高い熱が出る
・おしっこに血がまじる
・トイレが近くなる
・おしっこが出にくい
などがあります。
おしっこが出終わるころに痛い
「ぼうこうえん(膀胱炎)」や「にょうろけっせき(尿路結石)」を疑います。
「ぼうこうえん」は、ぼうこう(おしっこをためる袋)の中で細菌が増えることで、炎症(ケガをした状態。赤くなったりはれたりする)をおこす病気。男子よりも女子がかかりやすい病気です。
また、「にょうろけっせき」は、おしっこの通り道に石がたまる病気ですが、ガマンができないほど痛くなることが多いです。これは大人の男の人がかかりやすい病気です。
ここまでおしっこする時に痛くなる病気について紹介してきましたが、症状の出方は人によっていろいろ違います。
自分で決めずに、早めにお医者さんにみてもらうようにしましょう。
ぼうこうえん(膀胱炎)の原因は?
ここからは、おしっこのときに痛くなる病気として代表的な「ぼうこうえん(膀胱炎)」について説明します。
ぼうこうえんとは?
細菌(さいきん)がぼうこう(おしっこをためる袋)の中に入って増えていくと、ぼうこうの中で炎症がおこります。
炎症とは、たとえば転んですりむいたときに、赤くなったり、熱をもったり、はれて痛くなりますよね?そんな状態を炎症といいます。
おしっこをする時に痛くなるのは、ぼうこうがSOSメッセージを出しているような状態なのです。
また、「ぼうこうえん」は女子がなりやすい病気ですが、男子がかかることもあります。
ぼうこうえんの原因になる細菌って?
細菌の代表選手は、ウンチの中にいる大腸菌(だいちょうきん)。ウンチの出口とおしっこの出口は近くにあるので、ウンチといっしょに出てきた大腸菌が入ってしまうことがあるのです。
こんな人は「ぼうこうえん」に注意しよう
・トイレをガマンすることが多い
・体が冷えていると思うことがある
・夜ふかしする
・悩みごとがある
・ウンチの後におしりをふくとき、後ろから前へふく
・おしりを手でさわるクセがある(おしっこの出口やおちんちんなど)
細菌がはいってもセーフの時もある
それでも、細菌が入ったらすぐに「ぼうこうえん」になるわけではありません。少しの量の細菌が入ることはよくあります。
それでも病気にならないのは、体の免疫力(めんえきりょく:菌をやっつけて体を守る力)がちゃんと働いてくれるから。菌をやっつけて、おしっこで洗い流してくれるのです。
では、細菌がはいってアウトの理由は?
理由はいくつかあります。
1.免疫力(菌をやっつけて体を守る力)が弱っているとき
しっかり眠れていなかったり、体が疲れていたりすると、細菌をやっつけることができません。
2.おしっこで洗い流せないとき
もし、ぼうこうの中に入った細菌が入っても早めに洗い流してしまえばよいのですが、おしっこの量が足りなかったり、おしっこを長くガマンしていると、細菌が増えてしまいます。
「ぼうこうえん」にならないために
お水をたくさん飲む
ジュースではなく、お水やお茶がおすすめです。とくに、暑いきせつは多めに飲みましょう。
トイレをガマンしない
ぼうこうの中におしっこが長くたまっていると、細菌が増えやすくなります。夜ねむる前にもトイレに行くクセをつけましょう。
おしりはいつも清潔に
おしりの周り、おしっこの出口などはいつも清潔にしておくことが大切。毎日のシャワーやお風呂がベストです。
生理用ナプキンはこまめに取りかえる
細菌が増えやすいので、3時間くらいに1回は取りかえるとよいと言われています。
ウンチのあとは、前から後ろにふく
ウンチにある大腸菌(だいちょうきん)が入らないように気をつけて
無理なダイエットはしない
ご飯をぬくと、体の水分が足りなくなったり、免疫力(めんえきりょく)が下がったりします。
ぐっすり眠る
しっかりと眠ることで体は元気をとりもどします。ねむる前にスマホを見ると、寝つきが悪くなるので気をつけて。
ぼうこうえん(膀胱炎)の治し方
お医者さんに行くほうがいい?
はい、お医者さんにみてもらいましょう。
まずは、お母さんや近くにいる大人に相談をして、病院をさがしてもらってください。すぐに家族に相談できないときは、保険室の先生に聞いてみるのもいいでしょう。
「ぼうこうえん」は早めに正しいお薬をのめば、症状がおさまる病気です。そんなに心配することはありません。
でも、何もしないでほおっておくと、症状がひどくなったり、違う病気をひきおこしたりすることがあるので注意しましょう。
お医者さんが休みだった!どうしたらいい?
その場合は、薬局やドラッグストアで売っている「ぼうこうえん」専用のお薬をのんでください。お医者さんが開くのを待つよりも、ぼうこうの中にいる細菌を早く退治することが大切です。
「ぼうこうえん」専用のお薬をのんで、症状が軽くなってきたらひと安心ですが、念のためお医者さんにみてもらうようにしましょう。
ドラッグストアの薬でなおせる?
いつも元気な人がかかる「ぼうこうえん」は、「きゅうせい ぼうこうえん(急性膀胱炎)」の場合がほとんどです。その場合は、ドラッグストアで売っているお薬で治すことができます。
その場合は、以下に気をつけてください。
薬の量やタイミングをまもる
「使用上の注意」をよく読んでから飲むようにしましょう。小中学生のみなさんは、大人よりも飲む量が少ないので気をつけてくださいね。
症状がなくなってからも、2~3日は薬をのむ
「ぼうこうえん」は一度かかると、くりかえしやすい病気です。
その理由は、なおったと思っても細菌がまだ残っているから。実はぼうこうの中に残っていた細菌が、体が疲れて元気がないときに、また増えてしまうのです。
「ぼうこうえん」をくりかえさないためには、症状がなくなってから2~3日はお薬をのみつづけて、ぼうこうの中の細菌を完全に退治するようにしましょう。
水分をたくさんとる
お薬で弱らせた細菌を洗い流すためには、たくさんのおしっこが必要です。お水やお茶をいつもより多めにのんでください。
たくさん飲むコツは、ペットボトルなどに入れていつも持ち歩くこと。こまめに飲むクセをつけましょう。
ゆっくり休む
体が疲れていると、病気がなおるスピードも遅くなります。しっかり眠って、栄養のあるご飯をたくさん食べるようにしましょう。
大人に相談しよう
「ぼうこうえん」は、きっと皆さんにとってはじめてのことなので、不安だったりはずかしくて家族にも聞きにくいなぁと思うかもしれません。
でも、「ぼうこうえん」はみんながかかりやすい病気なので、ちっともはずかしいことではありません。そして、早めにお薬をのめば早くなおせる病気です。まずは、家族や保健室の先生に相談してみてくださいね。
ぼうこうえんのお薬「ジンセンサン(腎仙散)」
「ぼうこうえん」がまだ軽い段階なら、ドラッグストアや薬局のお薬で治すことができます。
ここからは、大人に読んでもらってください。
- 15種の生薬配合。
- 尿路消毒薬として使われてきた抗菌作用の高い「ウワウルシ(成分アルブチン)」を配合。
- 痛みをおさえ(鎮痛・抗炎症作用)、原因菌を弱らせ(抗菌作用)、菌を押し流す(利尿作用)ことで膀胱炎を治します。
子どもは何歳から飲めますか?量は?
年齢 | 服用量 |
---|---|
4歳未満 | 服用しないでください |
4歳~7歳 | 1/3包(1日3回) |
8歳~15歳 | 1/2包(1日3回) |
※小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。