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薬の飲み方、今さら訊けない7つの疑問

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疑問4「飲みにくいとき、薬を砕いて飲んでもいい?」

錠剤が飲み込みにくいので、砕いて細かくして飲むという人がいますが、これはおすすめできない飲み方です。というのも、コーティングされている錠剤のなかには、有効成分が胃ではなく腸で溶けるようにしたり、有効成分を湿気から守ったり、苦味を抑えたりするためにわざとその形状にしているものがあるからです。

これを砕いてしまうと、溶けるべき場所で溶けなかったり、有効成分が外気の影響を受け効果が薄れてしまったりと、薬の品質に悪影響が及ぶことも考えられます。

錠剤が飲み込みにくいときは、自己判断で砕いたりせず、医師や薬剤師に相談してみましょう。粉薬など、飲みやすい形状の薬を検討してくれるはず。どうしても薬を飲み込むのが苦手だという方は、市販の服薬用ゼリーと一緒に飲むのもおすすめです。ゼリー状のオブラートが薬を包み込み、ツルンとラクにのどを通らせてくれますよ。

疑問5「子どもに大人の薬を半分飲ませて大丈夫?」

子どもが風邪を引いたようだが、診療時間外などですぐに受診できない。薬箱を見ると、大人用の薬しかない・・・そんなとき、大人用の薬を半分飲ませても大丈夫なのでしょうか?

答えは基本的にNO。大人と子どもでは腸の長さや、薬の分解能力、排泄能力に違いがあります。大人であれば問題ない薬でも、子どもの場合薬が効きすぎてしまったり、思わぬ副作用が出る危険性が。ですから子どもには年齢に応じた小児用薬を飲ませることが大切なのです。

ただし、市販の漢方薬などでは大人と子どもが両方飲めるものもあります。いずれの場合も、薬に添付されている説明書をよく読み、用法・用量を守って飲むことが必要です。

疑問6「薬の飲み合わせって、本当にあるの?」

ひとつひとつは問題ないお薬でも、複数を同時に服用することによって、効き目が弱くなったり、逆に効きすぎたりすることがあります。
こうした相互作用を防ぐのに活躍するのが、お薬手帳。お薬手帳には過去の薬歴や、他の病院で出された薬の情報などが載っていて、今回処方するお薬との飲み合わせを薬剤師がチェックしています。病院や薬局に行くときには忘れず持参し、常用している市販薬についても書き込んでもらうと安心です。

そのほかにも、薬と食べ物との組み合わせにも相性があります。高血圧の薬とグレープフルーツ、抗結核薬とマグロやチーズ、血液をサラサラにする薬(ワルファリン)と納豆や青汁などは良くない組み合わせ。薬でなくても、常用している健康食品やサプリがあるときは、その旨を医師や薬剤師に伝えておくと安心ですね。

疑問7「持病のある人が市販薬を飲んでもいい?」

たとえば高血圧の持病がある人は、市販の風邪薬を飲むときには注意が必要です。咳や鼻づまりを緩和する成分が、血圧を上昇させてしまう作用も持っているからです。
また前立腺肥大の方も、風邪薬の成分に膀胱や尿道の働きを抑えるものがあることから、尿が出にくくなったり、まったく出なくなる可能性があります。

このほかにも肝臓病や糖尿病、アレルギーなど持病を持つ人は、風邪薬ひとつでも薬に含まれている成分を吟味して、持病に影響しないものを選ぶことが必要です。
そのほか妊娠中や授乳中も、飲めないお薬や注意が必要な薬はたくさんあります。

大切なことは、注意書を読まずに薬を飲まないこと。特に持病のある人や、妊娠中・授乳中の人が薬を飲む際は、医師・薬剤師に相談して安全を期すようにしてください。

正しく飲んでこそ良薬

薬を飲むときというのはたいてい、熱や痛みで切羽詰まっています。一刻も早く症状を緩和したいと思うあまり、注意書に記載された情報をよく読まなかったり、期限切れの薬を飲んだりしていませんか?

薬は正しく飲めば体への負担も抑えられ、きちんとした効き目が得られます。反面、あせるあまり正しくない飲み方をすれば、症状が緩和するどころか、悪化することも。
はやく効き目を得たいときほど、冷静に注意書をよく読み、正しい飲み方を心がけることが大切です。

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