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男性にも更年期障害が・・・
■男性にも更年期があるのですか?
最近、「男性にも更年期があるのだぞー!」と主張する記事や、医師の報告などを目にした方もいらっしゃると思います。
男性である以上、男性ホルモンの分泌量の加齢変化が避けられず、症状や発現時期に個人差があるものの、更年期障害というものは各々に存在します。
男子更年期障害の発生原因と一般的に現れる症状を理解することで、大いに不安を取り除く事が可能です。誰にでもある男子更年期障害を知る事で、必要以上に悩まず自分の力で乗り切る事も可能なのです。
■どんな症状があるのですか?
男性も更年期になると、女性と同様に精神面と肉体面の症状が現れ、これらの症状は、その発現状態や強さにおいて個人差がありますが、一般的には女性ほどに強いものではありません。
・精神面
倦怠感、抑うつ、興奮性、イライラ感
記憶力低下、集中力低下、性衝動の減少
・肉体面
疲労、不眠、視力低下、頭重、のぼせ
腰や関節の痛み、便秘、性交渉の減少
■男子更年期障害の発生原因は?
男性の更年期障害の症状はホルモン分泌の減少とストレス等によって発生します。
■男性ホルモンの分泌
男性と女性の性の違いは分泌する「性ホルモン」の違いに起因していると考えることもできます。 性ホルモンの機構としては脳の間脳と視床下部の刺激を受けて脳下垂体前葉からゴナドトロピンという性腺刺激ホルモンが分泌されます。この性腺刺激ホルモンには卵胞刺激ホルモンと黄体刺激ホルモンがあります。
男性では卵胞刺激ホルモンが精巣の精子形成細胞に働いて精子の発育を、また、黄体刺激ホルモンは精巣の間質細胞を刺激して男性ホルモンのテストステロンを分泌促進します。
■加齢によってホルモンの分泌は減少
テストステロンの分泌は20才代でピークとなり、加齢と共に減少します。
男女ともに、ホルモンコントロール機構としては、ホルモンの分泌量が減少すると、ホルモン増産を促す情報が視床下部にフィードバックします。ところが視床下部は性ホルモンを含む種々のホルモンのコントロールと同時に、自律神経系統や免疫系統をコントロールしていることから、視床下部に入ったテストステロンの分泌増産の情報が自律神経へも影響を与えてしまいます。
■男性更年期障害の原因
自律神経系への影響は、自律神経失調症(不定愁訴)と言われるイライラ感や抑うつに代表される障害として発生します。一方、男性ホルモンの減少の影響は性衝動の減少や精力減退と同時に、疲労感や肩こりなどの症状としても現れます。
この様に、男性ホルモンの減少に伴う直接的な影響と、男性ホルモンの増産情報が視床下部にフィードバックして生じる自律神経失調という間接的な影響の合わさったものが男性更年期の発生原因であり、現れる変調が男子更年期障害と考えられます。