和漢コラム便秘の解消にCOLUMN
便秘の何がつらい?症状でわかる、私の便秘の処方箋
「ウンチが硬くて毎回のトイレが苦行・・・」「少ししか出なくて、残便感でつらい」「私はお腹が張って苦しい」・・・便秘に悩む人は多いですが、その症状は人により千差万別です。
このコラムでは、便秘の症状別に考えられる原因を明らかにしつつ、症状改善に役立つ方法をご紹介します。また、あわせて病院へ行くべき症状についても解説していきます。
違いを無視してやみくもに便秘対策を行うと、症状によってはかえって逆効果になることも。それを避けるには、まず自分の便秘とじっくり向き合うことが欠かせません。
「腸がぜんぜん動いてないかも」「ガスがたまってる」・・・お腹のなかの様子が何となく想像できたら、あとは適切な対策をとるだけ。
「じっくり観察」→「きちんと対策」、そして「すっきり快便生活」を目指していきましょう。
便秘の症状別、原因と対策
ウンチが硬くて排便が困難なとき
腸の働きに問題があって起きる「機能性便秘」の代表的な症状で、「弛緩性便秘」の可能性があります。これは筋力のない高齢者や女性に多いタイプの便秘で、大腸が弛緩して動きが弱まることにより起こるもの。
便を肛門の方へ運ぶのに時間がかかってしまうため、その間に便から水分が吸収されすぎて硬くなります。すると毎回の排便が困難になり、痛みやストレスを感じてしまうのです。
この場合は、朝一番にコップ一杯の水を飲む、体をひねるストレッチをするなどして、積極的に腸を刺激するようにしましょう。ヨガやウォーキングなどの運動を取り入れ、筋力の低下を防ぐのもおすすめです。
腹痛や腹部膨満感があるとき
腹部の不快感や膨満感は、腸内にたまったガスが原因になっていることが考えられます。
長いあいだ便が腸内にとどまると、古い便をエサにして悪玉菌が増え、さかんに有害物質を放出します。臭いオナラのもとになるガスもその一例。
気体であるガスは軽いためなかなか排出されず、腸の曲がり角などに滞留することが多くなります。すると腹部を圧迫し、つらい不快感や膨満感につながるのです。
この場合は、少数派になってしまった腸内の善玉菌に加勢するために、発酵食品を意識して多く摂りましょう。また、うつ伏せで寝転び、腹部を適度に圧迫したり、そのままゴロゴロと左右に転がる体操もおすすめ。ガスだまりにあったガスが移動し、体外に排出されやすくなります。
ただしガスによる不快感ではなく、腹痛が続いている場合は要注意。慢性腹痛の原因としては、ストレスなど心因性のものの他、胃がん、膵臓がん、結腸がん、卵巣がんなど悪性腫瘍の可能性も考えられます。ガスが出てもスッキリできない場合は、これらの可能性も疑ってみましょう。
便を出しても残便感があり、すっきりしないとき
便が出ていないわけではないけれど、毎回少ししか出ない。出しても便が残っている感じがして、すっきりできない・・・この場合は、直腸(肛門の直前部分の腸)に便がとどまって、うまく排出できなくなっている「直腸性便秘」の可能性が。
弛緩性便秘とは異なり、便は肛門の方まで降りてきているので、より問題となるのはトイレでの出し方です。
トイレではロダンの彫刻「考える人」のように、少し前かがみになってみましょう。肛門と直腸の角度が広がり、便が出しやすくなります。
自分で手軽にできるトレーニングとして、「肛門を5秒締めて、5秒ゆるめる」を1日に10回程度くりかえすのもオススメ。
また、便意を感じてもトイレを我慢することが重なると、直腸性便秘の原因になるので注意しましょう。