和漢コラム膀胱炎の改善にCOLUMN
膀胱炎は市販薬で治せる?病院へ行くべき症状とは
つらい膀胱炎、早く治したいけれど、忙しくて病院に行く暇がない!そんなときに頼りになるのが薬局で気軽に買える市販薬です。
ただし手に入りやすいといっても医薬品。飲み方を間違えると、いったん症状は治まっても再発しやすくなるなど、本来の効果が発揮できないことも。
このコラムでは膀胱炎の薬が効くメカニズム、正しい膀胱炎の薬の飲み方に加え、病院へ行くべき膀胱炎の症状や、他の病気の可能性がある症状もお伝えします。
いざというときに頼りになる市販薬。かしこく活用して、トイレ問題に煩わされることのない健やかな膀胱を取り戻していきましょう。
膀胱炎の市販薬が効くメカニズム
女性に多い細菌性の急性膀胱炎は、膀胱に細菌が入り込んで増殖し、炎症を起こすことで起こります。
そこで市販の膀胱炎の薬には、利尿作用のある生薬、抗炎症作用のある生薬、抗菌作用のある生薬、鎮痛作用を持つ生薬の4つを組み合わせた漢方系の薬があります。
漢方薬は植物など自然界に存在するものから抽出された、薬理作用を持つ成分(=生薬)を組み合わせたお薬。抗生物質のように体内の菌を殺すような直接的な効果はありませんが、働きの異なる薬効成分がそれぞれ穏やかに作用し、つらい膀胱炎の症状を和らげ、治していきます。
- 尿で菌を押し流す=利尿作用
- 炎症を抑える=抗炎症作用
- 菌の増殖を防ぐ=抗菌作用
- 痛みを和らげる=鎮痛作用
この4つの働きをもつ生薬の合わせワザが、つらい痛みを抑えながら膀胱のコンディションを整え、膀胱炎の治療に効力を発揮します。市販薬を購入する時には、4つの作用を持つ成分が含まれているか確認しておくと良いでしょう。
また、薬の形には主に錠剤タイプと粉状の散剤タイプがあります。錠剤タイプは携行しやすいなどのメリットがある一方、人によっては飲み込みにくさを感じることも。
散剤タイプは錠剤タイプよりも溶けやすいため、早く体内に吸収され、効き目が早くなるメリットがあります。これらのメリットとデメリットを理解して、自分に合ったものを選びましょう。
膀胱炎の薬の正しい飲み方
まずは当たり前ですが、薬に添付されている「使用上の注意」をよく読み、用法用量を守って服用すること。
そして膀胱炎の薬を飲む場合に気をつけたい重要ポイントとして、薬を飲んで症状が改善したと思っても、すぐに薬をやめないことが挙げられます。なぜなら、もう良くなったと思っても、膀胱のなかにはまだ菌や炎症が残っていることがあるからです。
この状態で薬をやめてしまうと、疲労や寝不足などをきっかけに、わずかに残った菌が増殖して膀胱炎が再発してしまうことが。症状が収まってからも数日は薬を服用するようにし、しっかり膀胱内のコンディションを整えておくと安心です。
また、病状の改善には尿で菌を流し出すことが役立つため、薬を服用したら同時に水分を多めに摂ることも重要なポイント。
さらに、せっかく尿が作られても、排尿を我慢してしまっては元も子もありません。トイレに行くことも膀胱炎治療のひとつと心得て、どんどんトイレに行きましょう。
トイレを我慢する以外にも、お腹を冷やす格好をしていたり、寝不足が続いているようでは、せっかく膀胱炎の薬を服用していても、治りが遅くなってしまうことも。
膀胱炎を早く治したいなら、薬だけに頼るのではなく、お腹を温める、しっかり眠って菌への抵抗力をつけるといった、基本的な対策も同時に行っていきましょう。
これらの注意事項は市販薬だけでなく、クリニックで処方された抗生物質などの薬を服用する際にも同じことが言えます。もらった薬は最後まで飲み切り、排尿をガマンしないことや水分をしっかり摂ることを心がけていきましょう。