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市販で手にはいる、男性更年期障害のための漢方薬と選び方

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漢方薬男性更年期の症状に漢方薬がよいと聞いたけれど、わざわざ病院へ行くのも大げさな気がする。でも、漢方薬って分かりにくい。
そんなあなたのために、症状別の選び方や気を付けるべきポイントをご紹介します。

男性更年期の症状でえらぶ、市販の漢方薬

夜間頻尿や尿もれ、性機能のおとろえ

夜間頻尿「夜、何回もトイレに行きたくなる」「朝立ちしなくなった」など泌尿器系の悩みは、男性更年期によくある症状です。ただ、泌尿器の症状とあわせて、体が冷えているかのぼせているか、によって選ぶべき漢方薬は異なります。

八味地黄丸(ハチミジオウガン)

八味地黄丸は、体をあたため、「気・血(けつ)・水(すい)」のめぐりを良くすることで、足腰や泌尿生殖器など下半身のおとろえを改善するお薬です。体を温める生薬が含まれているので、のぼせたり暑がりの症状がある場合には適していません。
[こんな症状に]
体の冷えをともなう、夜間頻尿や尿もれ、残尿感、性機能のおとろえ、足腰のおとろえや痛み

六味地黄丸(ロクミジオウガン)

六味地黄丸も、足腰や泌尿生殖器など下半身のおとろえを改善するお薬。八味地黄丸と同じように、貧血や虚弱体質の改善作用がある地黄を主役としていますが、温性の生薬である桂皮と附子が含まれないので、暑がり(熱証)の人にむいています。
[こんな症状に]
のぼせの症状をともなう、夜間頻尿や尿もれ、残尿感、性機能のおとろえ、足腰のおとろえや痛み

牛車腎気丸(ゴシャジンキガン)

八味地黄丸と同じ8つの生薬に、利尿作用をもつ牛膝と車前子が加わっています。余分な水分を排出させる効果の高い薬ですが、のぼせたり暑がりといった症状がある場合には適していません。
[こんな症状に]
体の冷えやむくみ、しびれをともなう、夜間頻尿や尿もれ、残尿感、性機能のおとろえ、足腰のおとろえや痛み

気力がでない、体がだるい

体がだるい全身の疲労感にくわえて胃腸が弱っている症状がはっきりしている場合は、補中益気湯を。体の冷えや貧血の症状がある場合は、十全大補湯が適しています。

補中益気湯(ホチュウエッキトウ)

補中(=中を補う)は胃腸のはたらきを高める。益気(=気を益す)は気力を増すこと。弱った胃腸を整えることで、元気をとりもどす漢方薬です。食欲不振や病中病後など、「気」が不足した状態(気虚)のときに処方されるお薬です。
[こんな症状に]
疲労感がとれない、食欲不振、胃弱、めまい

十全大補湯(ジュウゼンタイホトウ)

漢方でいう「気・血(けつ)」が不足している状態で、気力も体力も弱っている状態の人に処方されるお薬。全身の疲労感にくわえて、貧血気味で顔色が悪い、冷え性などの症状がある場合に向いています。
[こんな症状に]
疲労感がとれない、貧血、皮膚の乾燥、食欲不振、寝汗、手足の冷え

憂うつ、不安感、不眠

憂うつストレスなどによって「気」のめぐりが滞っていると、このような症状がでる場合があります。更年期の男性は社会的にも責任の重い世代であるため、ストレスの影響は大きいようです。

半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)

検査しても問題が見つからないけれど、のどにつかえ感があり吐き気がする。気分がふさぎがち、といった状態に処方されるお薬です。
[こんな症状に]
のどの違和感、不安感、イライラ、抑うつ、不眠、神経性の胃炎、動悸、めまい

自分の症状をよく観察しながら、漢方薬をえらぶことが大切

男性更年期といっても、その症状は人によってさまざまです。夜間頻尿や性欲減退、全身の倦怠感などの身体的な症状、イライラしたり憂うつな気分になったりという精神的な症状も。
そんな症状の出方や時期が異なるのには、2つの理由があります。
一つは、男性更年期障害の原因である男性ホルモンの減り方によるもの。減少のカーブにはかなり個人差があるため、急激に低下する人には症状が顕著に出る一方、とても緩やかな場合はほとんど症状を感じない人もいます。
そしてもう一つは、それぞれに持っている体質の違い。東洋医学では体の状態を「気・血(けつ)・水(すい)」3つのバランスで判断しますが、そのバランスが偏った状態にあるとさまざまな症状が現れてくるのです。

そこで、「気・血(けつ)・水(すい)」のバランスを整えて、症状を改善しようとするのが漢方薬の考え方。天然の植物や動物、鉱物から作られた生薬には、身体を温めたり、血流をよくするなど特有の効能があり、いくつかの生薬を組み合わせることで、からだ本来の力を取り戻せるように導いてくれます。
男性更年期障害はいわゆる病気ではないので、頭が痛いから鎮痛剤をのむといった症状をおさえるやり方よりも、漢方薬の考え方のほうが受け入れやすいのではないでしょうか。

ただ、上記でご紹介した漢方薬は、男性更年期障害に特化した処方ではないので、今の症状や状態をみながら、自分にあった漢方薬をえらぶことが大切です。

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