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ストレスからくる便秘、よくある誤解と正しい対処法

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よくある便秘対策、ストレス性の便秘によいのはどれ?

ストレスからくる便秘には、一般的な便秘対策が効きにくいことも。取り入れるときの注意点を、ひとつずつご紹介していきます。

1. 朝一杯の水を飲む
2. ヨーグルトを食べる
3. 食物繊維をとる
4. 便秘体操をする
5. ツボ押しをする
6. 便秘薬を飲む

1. 朝一杯の水を飲む→△

起き抜けにコップ1杯の水を飲むと、水分の重みで腸に刺激を与え、動きをスタートさせることができます。ストレスからくる便秘であっても、腸の動きが鈍っているときには役立つ基本の対策です。

ポイントはチビチビ飲むのではなく一気に飲んでしまうこと。冷水では腸が冷えてしまいますが、温めすぎても一気に飲めないため、常温~ぬるま湯くらいの水がおすすめです。

ほとんどの便秘の人に有効な対策と言えるのですが、注意が必要なのが便秘と下痢を繰り返している場合です。過敏性腸症候群で、便秘だけでなく腹痛や下痢の症状もあるときは、刺激が強すぎて下痢になってしまう可能性が。自分のお腹と相談して、刺激が強いと感じるようなら止めておきましょう。

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2. ヨーグルトを食べる→○

古い便が腸内に長く滞留すると、悪玉菌が増えて悪臭のする有毒ガスといった刺激物質を放出します。するとその刺激で腸がダメージを受け、蠕動(ぜんどう)運動が低下してしまうため、便秘はさらに悪化傾向に。
つまり、「ストレスで便が出にくい」→「悪玉菌が優勢に」→「腸にダメージ」→「さらに便が出にくくなる」という、便秘の無限ループに入ってしまうのです。

このループから脱出するには、悪玉菌の天下になっている腸を、善玉菌優勢に逆転させる必要があります。
そのときに役立つのがヨーグルト。ヨーグルトに含まれるビフィズス菌や乳酸菌を取り込むことは、腸内環境を整え、便秘の改善に役立ちます。

最近は「生きたまま腸に届く」というヨーグルトも増えていますが、死んだ菌でも腸内細菌のエサになり、腸内環境を改善することにじゅうぶん役立ちます。寒い時期は温めて食べたり、カレーやスープに入れるなど料理に活用するのもおすすめ。効果を実感するには、毎日継続してしっかり量をとることです。

ヨーグルトだけでは物足りない方は、整腸剤も活用してみましょう。どちらの場合も、善玉菌のエサになるオリゴ糖も併せて摂ると効果的。オリゴ糖はゴボウやタマネギ、ハチミツなどに豊富です。オリゴ糖自体もスーパーなどで手に入るため、利用するのも良いでしょう。

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3. 食物繊維をとる→✕

便秘対策と言えばコレ、というほどメジャーな便秘対策ですが、実はいろいろと誤解が多いのも事実です。

と言うのも、すでに前述の「便秘の無限ループ」に入ってしまった腸では、善玉菌は少数派。がんばって食物繊維を摂っても他の菌に消費されるなど、善玉菌まで届きにくいのです。
さらに、ストレスで胃などの消化器系が弱ってしまっている場合は、消化しづらい食物繊維を摂ることが逆に内臓に負担をかけてしまうことも。

ストレスで胃が痛い、便秘でつらいというときは、食物繊維は少し控えるくらいが無難です。代わりにおすすめなのが、ご飯やうどんなど水分を含んだ炭水化物。消化もよく、ウンチの量を増やして便通をスムーズにする働きがあるため、便秘改善のためにはきちんと摂りたい栄養素です。

食物繊維をたくさん摂るのは、善玉菌が増え、胃や腸が本来の働きを取り戻すまで少し我慢を。便秘ループから晴れて脱出したら積極的に摂り、便秘予防に役立てていくのがおすすめです。

4. 便秘体操をする→○

胃や腸といった消化器系の動きは自律神経がコントロールしています。ところがストレスが多い人は、自律神経のバランスが乱れ、活動を司る「交感神経」ばかりが優位になりすぎています。

腸が元気に働くためには、休息を司る「副交感神経」を活性化して、リラックスする時間をつくることが必要不可欠。「あれもしなきゃ」「これもしなきゃ」と常に時間に追われていると、副交感神経が優位にならず、腸も働くことができません。

便秘対策に多い、体をねじったり腹筋に刺激を与える運動は、便秘解消の面からも、ストレス解消の面からもおすすめです。
ストレスからくる便秘の場合は、これにウォーキングのようなマイペースでできる運動も取り入れると良いでしょう。ぼーっとしながらのんびり近所を散歩することで、副交感神経を上手に高めることができます。

さらに、日の光を浴びてウォーキングするとホルモンの分泌が良くなり、夜の眠りが深まります。すると寝ている間に腸が活発に動くため、翌朝便が出やすくなります。
腹筋、背筋など全身を適度に鍛えつつ、ホルモンバランスも整えることができるので、ウンチを押し出す総合力を育てることができますよ。

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5. ツボ押しをする→○

「ストレスが原因だからストレスを感じるな」と言われても、それはムリな話。分かっていても感じてしまうのがストレスです。

そんな現代人にぜひ試してほしいのが、「ツボ押し」の力。今回は、特にストレスが原因の便秘におすすめのツボ「大腸兪(だいちょうゆ)」をご紹介します。

自分のツボを上手に探すには、図のあたりを押してみて、コリや気持ちよさを感じる場所を見つけること。
腰に手を当て、親指でぐいっと押してもみほぐしても良いですし、スペースがあればテニスボールなどの上に仰向けに寝て、刺激を与える方法も良いでしょう。
大腸につながる交感神経の緊張をほぐし、血流を良くして動きを正常化する働きがあるため、コロコロウサギ便の改善に役立ちます。

6. 便秘薬を飲む→△

ストレスが原因になっている便秘の場合は、薬の選び方にも注意が必要です。

というのも、ストレス便秘は大腸の動きが強くなりすぎている状態なので、腸を刺激する薬はかえって腸に負担を与えることも。根本的には腸内環境の改善や運動、ストレス対策といった方法でアプローチしていくことが大切です。

便秘が進行して便が直腸に詰まってしまっている場合には、たっぷりの水分とともにオリゴ糖やマグネシウム(あおさやひじきなど海草類に豊富)を積極的に摂ったり、整腸剤を使い、便を柔らかくすること。さらに便秘体操やウォーキングで副交感神経を高め、腸に刺激を与えることで対応します。
どうしてもという場合も、一般的な大腸刺激性の便秘薬は避け、できるだけ刺激の少ないものを選びましょう。

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ストレス便秘の人が試すべき便秘対策

ストレス解消に、寝る前にスマホで癒し動画や他人のSNSを見るのが日課、という人はいませんか?

実はそれだとリラックスしているようでいて、本当の休息につながっていません。画面から出る強いブルーライトが、逆に交感神経を高めてしまっているのです。

ストレス便秘に心当たりがある人は、夜寝る前にひととき、スマホを手放してゆっくり過ごす時間を作りましょう。少し照明を落として、好きな音楽を聴いたり、ぼーっとしたり・・・昼間の興奮状態から夜の休息時間へ、バトンタッチをスムーズに。続けるうちに腸が少しずつ、本来の健康な動きを取り戻してきます。

腸と心は密接につながっています。「けいれん性便秘」は腸の誤作動ですが、同時に心の誤作動の表れでもあるのです。心当たりがある人は、腸の手当てと一緒に、できるところから心の手当ても始めていきましょう。

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